super "my co" の大冒険 vol.10
私の生活は軌道に乗ったけれど、また危機が襲ってきた。スイスコテージのフラットの大家から立ち退き命令が出たのだ。12月の中旬だった。クリスマスも近い。来年の一月初めに出て行けという。フラットを探すにも後3週間しかない。「どうしたらいいの」、パニックだ。いくつかの物件を見て回る。LOOTSという、各個人同士で契約を結ぶため、新聞で物件を探し回っても、セクハラまがいの扱いを受けたりと、もう精神的に限界だ。憂さ晴らしに、カラオケを歌いまくり、ばたりとベッドに倒れて寝たある夜、夢の中で、「予算に収まる超豪華なワンルームが見つかり、ゴージャスなロンドン生活を満喫する」夢を見た。「夢見たい」と大声で叫んだら叫んだら、本当に夢だった。目が覚めた。時刻は朝10時だ。日系企業の電話番に遅刻というより、私の勤務時間は終わっていた。
落ち込んだ私は、しばらく顔を出さなかったメイフェアの投資銀行に出向いた。「あの連中と一緒にいると元気が出る」と思ったからだ。幸い、風もサッビーもいた。二人共、「おい、元気か」と声を掛けてくれた。久しぶりの明るい激励に嬉しくて、二人に事情を説明した。スイスコテージのフラットから追い出されそうなこと、新しい物件がなかなか見つからないこと、時間がないこと等と話しているうちに、本当に泣けてきた。駄目元で、私は、風に聞いてみた。
「仮に、新しいフラットが見つからなかったら、年末・年始、この事務所に寝袋を持ってきて、寝泊りしてもいいですか。電話番をしますから。もちろん無報酬で構いません。」
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