super "my co" の大冒険 vol.16
次の週、早速、投資銀行の中を歩いてみる。皆忙しそうにしている。何をしているのか見当もつかない。「Sell」とか、「Buy」とかよびあっているけれど、何を売っているのか。誰も相手にしてくれないので、少しいらつきを覚えながら、私の机のある小部屋へとそそくさと入っていく。何故かここが落ち着くのだ。メールでもチェックしようとパソコンの電源を入れる。しかし一向に立ちあがらない。「使えない!」手の甲で、PCのてっぺんを叩いて、辺りを見まわす。誰か助けてくれないものか。しかしみんな、無視。全く相手にしてくれない。
仕方がないので、事務所を観察。すこし遠くに声を掛けやすい存在の人物を発見。髪は薄めだけど、見た目より若い。パソコンオタクのアライグマだ。アライグマなら、忙しい中、声を掛けても怒らないだろう。サッビーなんかに聞けば、うるさがれるに決まってる。しかし、ちょっと待てよ・・・彼はいつもコンピュータースクリーンに朝から晩まで向かいっぱなしで、ニヤつき、なにやら分析をしているようだ。分析資料を風やサッビーに渡している。結構、手際がよくて、案外アライグマの分析をもとに、男達はSellとかBuyとか電話にどなっているのかもしれない。としてら、アライグマは見掛けに寄らず、優秀ということになる。何か彼はmycoにとって偉大な人になるのではないか・・・そんな気がしてきた。
ニヤリ、私はパソコンのことはもはや忘れた。私は目のキラリと光る。獲物を見つけた猛獣か。その瞬間、行動に出る。「即断・即決・実行型」。勢い付いた私は、自身たっぷり、確信に満ちた笑みを堪えながら、幸福の神・アライグマに接近した。これまで、見栄えのよくないアライグマとは必要最低限な会話しかしていない。彼は、アットホームな雰囲気だが、独身で、オタクで、女を寄せ付けない。きっと根はいい人なんだろう。しかし、直接話すのも何だか、借りを作るようで、あまり気が進まない。リスキーな気もする。私はアライグマのほうへ向かっていた足を止め、サッビーのほうへ転進して行った。
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