super "my co" の大冒険 vol.17


「サッビーさん、今ちょっと話してもいいかしら?」いつもとは全く違う女の子らしい声で甘えた。だめだ、この手は奴に通じなくなっている!彼は、冷ややかな視線で私の方を見て「今度は何だよ!」と言いたげだ。私は知っている。サッビーは表面上無関心を繕っていても、本当はすごく女には弱いと言う事を。「ねぇ、私の友達で、miwaって娘、すごく可愛いんだけど、サッビーさんのこと話したら、今度是非会いたいって。どう、今度、ご飯でも食べに行かない?」サッビーは急に目をPCのスクリーンの方に戻し、「えー、めんどくさいじゃん。俺、忙しいの判るでしょ。」本当は嬉しいくせに。かっこつけんなよ。「あー、そう。キャメロン・ディアスがスキって言ってたでしょ。似てんだよね。残念。」背中にサッビーが後悔しているのが伝わってくる。じゃ、っと席を離れようとした。慌てて彼は言った。「今度の土曜日出張じゃなければね。」彼は少年のような瞳をして、私を見た。目が「行かないで。僕は嘘をついていました。」と訴えている。「ほら、来たいんじゃない。初めからそう言いなさいよ。」男って一体どうして、こんなに素直じゃないんだ。

「そのかわり、条件がある。」私はもはや勝者。仁王立ちになって彼に言い渡す。「アライグマちゃんを同伴で来ること!」サッビーは目を見開いて驚いた。なぜよりにもよって、彼を指名するのだ。てっきりこの女のことだから、ブルジョワないい男を連れて来いと言うに決まっていると思ったのだろう。目が点になり、思わずアライグマの方を振りかえり、私を見、またアライグマを見た。そんなサッビーに、フッフッフッと含み笑いだけして、私はデスクに戻った。PCのコンセントは入っているけど、電源ボタンの大元が入っていなかっただけだと気づいたのは、その後だった。


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