|
super "my co" の大冒険 vol.23
しかし記者は意外にも「そうですね、ロンドンで活躍する女の子紹介というかたちで社会面なら使えるかもしれない。」「本当ですか?」持っていたトレイを抱きしめて、身を乗り出した。信じられない。ここに今日来なければ、こんな話しはなかったはずだ。しかもmiwaがランチをする為、メイフェアーに来る。私は溢れる興奮を押さえながら応接室を出た。トレイを持ってニヤニヤしていると、副所長に「楽しそうだね、仕事ちゃんとやってる?」と言われ、我に返った。
30分位して、所長が応接室から出てきた。「それじゃあ、僕は忙しいから、一人で彼に話してみて。」そして、どこかにお出かけになった。何を話せばいいのか判らないけれど、とにかく私は風とサッビー、黒幕と話したことを片っ端から話すことにしよう。またじっくり温めていたmycoの6月に行う予定の「舞妓」というコンセプトの個展の紹介もしなければ。記者Sさんは時々鋭い質問を投げかけてくるけれど、爽やか系の好青年。以前、所長が「S君は自称好青年と言っているが、もう青年って年ではないな。」と独り言を言っていたのを聞いたことがあるけれど、まだ彼は青年で通ると思う。自分のポリシーをしっかり持っている、魅力的な人だ。
miwaもジョインできた。私達二人はロンドンならではのプロダクト発掘の奮闘ぶりを話す。投資銀行でのアルバイトであったり、画廊であったり、学校のプロジェクトだったりした。Sさんも一緒になって盛り上げてくれる。今のところ、mycoには実態がないけれど、パワーはある。何かをやろうとする前向きな力は人に確実に伝染する。miwaと私のリレーションシップはそんな風に形成されているのだろう。
さて、好青年はmycoのプロジェクトを「パワフルな宇宙空間を飛び跳ねる舞妓という感じかな」と整理してくれ、「なんとか料理してみましょう」というコメント。最後の写真撮影はSさんが何回かシャッターを切ってくれた。その都度私達は満面の笑みで、あらゆる表情を作る。大はしゃぎだった。
撮影も終わり、彼は帰っていった。しかし、エレベーターに乗る時、Sさんの「フウゥ」という大きなため息。「Sさん、毒気にあてられ疲れちゃったのかな、記事にならないかもしれないね。」とmiwaは少し心配顔。「大丈夫よ。好青年だから。」
back to the top
back
next