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super "my co" の大冒険 vol.8
「今、事務所に、日本の情報を読んで、コメントしてくれるスタッフがいません。こうした仕事をやってみる気はありますか」
私の前の机には、日本の新聞・雑誌が山積みにされいる。多分、誰かに、こうした日本の関連情報を読んでもらって、面白い記事な
んかを掘り出してもらいたいのだろう。そして私は、無造作に積んである雑誌の中に、ヴァンサンカンとキャンキャンがあるのを見逃
さなかった。
「やる気あります。一生懸命やります。がんばります!」
風は、私の猛然とした突進に多少たじろいた様子だったが、直ぐに立ち上がり、サッビーに質問。
「日本情報収集のアルバイトは必要だが、給料はどの程度払える」
サッビーは即座に回答。
「そんな予算ありませんよ。もともと彼女は勉強したいだけですから、給料払う必要ないんじゃないですか」
風は、結構気前のよい顔をしながら、絞めるところは絞める性格みたい。でも、言い難いことを伝えるのは多分苦手。だから、言い
難いことは、サッビーに言わせているみたい。なかなかのコンビながら、だからといって、「お給料なし」はひどい。でも、キャンキャン
を目にしてしまった私は弱い。まるで「お預け」と命令された犬のように、そして就職活動を思い出しながら、「構いません」と笑顔一
杯で答えた。
風は言った。
「じゃあ、お願いしましょう。でも、何も払わないというのは、こちらも気が引けますから、事務所の若いメンバーに、時々、豪華なディ
ナーに誘い出させます。要するに、現物支給、食料をを給料として差し上げましょう」
こうして、私は「自分のお給料を、ロンドンの高級レストランのディナーでもらう」という、一風変わったアルバイトを、メイフェアの小さ
な投資銀行で始めることにした。とりあえず、投資銀行の棲家も、読みたくて仕方なかった日本の女性誌にも手が届いた。
99年の11月になっていた。